NHK特集「インパール作戦」を終戦の日に見る
8/15、終戦記念日にNHK特集「インパール作戦」を見た。ある程度、知っているので今さら衝撃はないのですが、改めて憤りを覚える番組でした。
太平洋戦争時、屈指の残酷な戦いだった「インパール作戦」。イギリスで見つかった新たな資料や関係者の証言から前線で何が起こり、上層部である大本営で何が決まっていったかを解明しています。なかなかの力作なので、気になる方は再放送や有料番組などで見てみてください。
番組上では撤退前の戦死者3万人、撤退決定後の戦死者4万人。番組で確認できなかったのですが、別の資料で確認すると作戦動員9万人。およそ8割の死亡率。
武器、食糧の補給見通しを全く立てない中での作戦続行。責任はどこにあるのか、敗北濃厚な中でなぜ撤退できなかったのか。
番組はインパール作戦の中枢を担った牟田口中将を中心に描かれる。彼を含め全員生き残った上官と大本営の責任のなすりつけあい、無責任体質には戦慄すら覚える。
上記戦死者のほとんどが飢え、病気によるもの。生き残った人々から語られる人肉食、残していった戦友達。全軍撤退を見届けずにさっさと本土へ帰った上官達。
NHKの演出も素晴らしく、最後の証言はかなり重みのあるものでした。
ただ、こういうドキュメントにつきものなのは、過剰な演出。基本的にNHKのドキュメントは左寄りな演出がされていることが多いので、そこは加味して見る必要がある。
放送後、SNSなどでは「インパール作戦」などで日本がイギリスと戦ったことが、インドを始めアジア諸国の独立を促したという意見。いや、この際他の国はどうでもいい。300万の日本国民の命を奪った戦争の経緯、責任は結局突き詰めているのだろうか。
何年たっても「反省」のなくなることがない問題だと思う。