新たな脅威「テンサイシストセンチュウ」とは
国内で初めて重要病害虫「テンサイシストセンチュウ」が確認されたと農水省から発表がありました。「テンサイシストセンチュウ」っていったい何?人体に影響は?
テンサイシストセンチュウとは
アブラナ属のキャベツやブロッコリーなど、フダンソウ属のテンサイなどに寄生して病害を引き起こす。根に寄生した雌は卵を内包して直径0・6~0・9ミリほどのシスト(包のう)になる。シストは乾燥や低温に強く、長期間土壌に生存できる。アジアや欧州など世界中に分布する。
日本農業新聞 - テンサイシストセンチュウ 国内初、長野で確認
海外では欧州で被害が大きいが日本では今まで見られなかった種類の害虫。同じ種類のジャガイモシストセンチュウはすでに国内で確認されていて、北海道をはじめ被害が広がり始めている。
今回、長野県原村のアブラナ属の野菜を栽培する農家から発育不足の株を調査したところ確認されました。
テンサイシストセンチュウの被害は
一番の問題はアブラナ属の作物に寄生し、発育を遅らせることです。
気になる健康被害ですが、
テンサイシストセンチュウが付着した野菜を食べても、人体に影響はありません。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/syokubo/attach/pdf/170901-1.pdf
参考:農水省HPの発表資料
人体に影響がないとはいえ、該当野菜の収穫に重大な影響を及ぼす。海外では収穫量が25%減少したという報告もある。
対策は
対策としては発生が確認された土壌を移動させない。使用した農機具などの洗浄。ほかに対抗植物を使ってセンチュウの密度を減らす、などがある。
ですが、海外でも根絶にてこずっている面があり、とにかく初期段階での駆除、蔓延しない努力が必要かと思います。
これまた海外からの流入
テンサイシストセンチュウは、ヒアリなどと同じく海外からの持ち込まれたものに付着して日本に来たと思われます。発見されたのが長野県なので、すでに全国に広がっている可能性が考えられます。
長野県は病害虫発生予察特殊報を発表して、注意を促しています。JAを中心として対策を立てていくようですが、これは全国のJAでも一度確認しておく事態だと思います。